小人のネタ屋

発想の貧しいおにっちの脳にはあと一つのネタを繰り出す余力しかありません。

このご時世、おにっちは流行らず廃業の危機に追い込まれていたのです。

ある晩のこと
「あぁ、この材料が尽きたらとうとう廃業か。」

寂しい思いを抱きつつ、飲めもしないウォッカをあおります。
もともと下戸なおにっち
知らぬ間に眠ってしまいました。

 

そして翌朝

おにっちが目覚めると不思議な事に一つのネタが出来上がっています

 

おにっちは「酔っ払って自分で書いたのか、適当な私にはもってこいの最後だな」とそのネタを世に送り出しました。

 

するとこれが少しだけ話題を呼び、おにっちは次のネタを書く材料を手にする事ができました。

 

しかし困ったことに前回のネタはウォッカで泥酔した際に作り上げた酔拳のたまもの。

再現性がありません。

一体全体どうやって考えたのか皆目見当もつかないのですから。

 

頭を抱えるおにっち。
やけになり、またウォッカをあおります。

 

翌朝

不思議な事に今度は3つネタが仕上がっています。

 

おにっちはまたこれを世に繰り出しました。

 

するとこれがまたバズに次ぐバズ。

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(上の流れを数回繰り返す)
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気がつくとおにっちは立派なアル中になっていました。

 

違います。
おにっちのお話しは世に知れ渡り、おにっちの夢が叶います。

しかしおかしい。

今では手が震えてペンを持つのもままならないのに朝目覚めるとネタが仕上がっている

 

ある夜おにっちはウォッカをあおるフリをして水を飲んで過ごしました。
そしてその日の夜中

 

そっと起きだして作業場を見てみると….

ちっさいおっさんがネタを書いている

一心不乱に書いている。

 

そうです。

 

これまでのネタは全てちっさいおっさんが書いていたのです。

 

 

翌朝おにっちは、どうしてもおっさんにお礼がしたくなり、ワンカップとするめをそっと作業場に用意しました。

 

これが転落の始まりでした。

 

ちっさいおっさんは酒に溺れ、ネタを書かなくなってしまったのです。

 

連日連夜繰り返されるおにっちとちっさいおっさんの酒盛り

 

二人はすっかり酒浸りになってしまったのです。

 

お正月ですがお酒はほどほどに。