社会奉仕活動の一環としてお花を植えてきました。
晴天の下、色鮮やかな花に触れ、そのすばらしい香りを胸一杯に吸い込むと心が洗われるようでした。
汗をかきながら、手をどろどろにして無心でお花を植えることもまた心の健康に一役かったと思います。
と、このままお花と戯れる35歳おっさん型妖精のほほえましいエピソードで終わるはずでした。
全ての作業を終え、手を洗って事務所に戻ろうとドアノブをつかんだその瞬間
しっとり
私より先に戻ってきた何者かが洗った手を乾かさずにドアノブを掴んだのでしょう。
ドアノブは不快な湿度を携えて私を待ち受けていました。
いらっ!
いらいらいらっ!
何故手を拭かない!
何故ジェットタオルを使わない!
触覚が鈍りすぎて自分の手が濡れているのかどうかもわからなくなったか!?
文明の力が理解できずに嘘つきがそこに手を突っ込んだら手が抜けなくなると思ったか!?
とても不快な気分で再度手を洗います。
ふと視線をあげた瞬間
そこに映っていたのは夜叉のような表情をした35歳雄のゴリラでした。
どうやら手も心も洗い足りなかったようです。