ただしい会議の進め方

私が勤めている会社では毎週金曜日の朝会議があります。

そしてこの会議、何故か司会は私

MCおっさん

 

この会議、会議とは名ばかりで基本的には毎週の数字の報告会

だいたいは司会である私の報告のお時間。

私は会議は否定しませんがこの数字の報告会があまり好きではありません。

数字だけを確認するのならわざわざお金を払って導入しているシステムを見ればそれで済んでしまうから

 

高い給料をもらっているみなさんを集めて形式的に数字を報告するという事は彼らの時間分の給料が浪費されていることになる

システム利用料と彼らの給料が二重に費用として生じている

とっても無駄

 

そして

楽しくない

 

楽しくないので興味が湧きません

興味がわかないので準備をすることを忘れます。

そして毎週冷や汗をかきながら切り抜ける

 

これが毎週金曜日の私の定例行事

 

ただ、今週は違った。

 

こう言っちゃなんだが完璧な準備をしていた。

何を聞かれても答えられるし

そもそも疑問すら生じる余地の無い仕上がりだと自負することができる

 

こんなにしっかり準備すると安心だけどちょっと物足りないな…

なんて考えながら淡々と進む業績報告

 

毎週金曜日の朝にうまれる見慣れた光景

 

ふとその見慣れた景色に見慣れない物が飛び込んで来る

テーブルの上に誰かの手土産のお菓子が置いてあるではありませんか。

 

「く、食ってみてぇ」

 

こんな朝っぱらからお腹なんてすいていません

全くすいていない

ただ知的好奇心お化けな私はこの真面目な会議中に司会者が急にお菓子を食べだしたらどうなるだろうという好奇心に取り憑かれてしまったのです。

 

全く表情を崩さず数字の報告をしながらお菓子へと延びる我が黄金の左手

おもむろにお菓子をつかみ取ると

もそもそと袋を破きだす。

 

ここで会議室の空気が変わります

「なんだこいつ、、、なんでお菓子食いだしてるんだ」

私以外の全ての人の意識が私の左手そして口元に集中します。

 

それもそのはず

みんな数字の報告になんてたいして興味がなく、意識をフォーカスさせる対象を求めている状態なんですから。

当然会議中にお菓子を食べ出すおかしな社員にその意識が集まるわけです

 

にわかに活気づく会議

 

ただここで私に真面目にやれなんて言う人はいません

おかしいですよね。

会議中にお菓子を食べているのに誰も注意しない

 

何故か

「真面目にやれ」なんて言おうものなら

「こと会議において求められる結果は何ですか?よどみなく進行されることと中身のある議論をすることじゃないですか?真面目にやるをそういった観点で捉えると私の今産み出している結果に不足はありますか?ないのであればそれはもう真面目にやっていると捉えてよいのでは クドクド」とへりくつの集中砲火を私から受ける事をみんな知っているからです。

 

せっかく何かが起こるかもしれないと思って食べたくもないお菓子に手を出している私としてはこのままでは終われない。

 

好奇心お化けは次なるターゲットを見つけます

 

「このゴミを隣の部長に渡したらどうなるだろう?」

 

普通に渡したらさすがに怒られます

当然です

自分より四半世紀も後に生まれた部下に会議中にゴミを渡されるんだから

怒らないほうがどうかしている

 

つまりこのミッションには

部長が手に意識を注ぐことのできない最高のタイミングで呼吸をするが如く自然にゴミを握り締めさせるという高等技術が必要

 

しかしそんな奇跡のタイミングはそう簡単には訪れない

 

虎視眈々と機会をうかがう私

なかなか奇跡は生まれない

「まずい、このままでは会議が終わる」

焦る私

 

と、ここで奇跡の糸が天から降りてくる

 

部長に質問が飛んできたのだ

しどろもどろになる部長

それもそのはず

全て私に任せている彼に質問に答えられる力などあるはずがない

さらに、質問の内容は今日の会議で唯一ここは聞かれたくないなと事前に私が不安を抱いていた箇所なのだ

 

こんな時私は結論を出そうとしないで「これこれこういったアプローチでこの数字をこうして次回までに….」と時間を作って逃げるのだが今日に限ってはそんなことはしない

 

何故か

そう

お気づきですね?

 

ゴミを私チャンスに集中しているから

 

そして今こそその瞬間

 

質問に答えることに集中している部長が今その手に裂ける意識の割合は良くて1割といったところだろう

 

ゴミを渡されてもそれがなんなのか考える余裕など絶対にない!

 

はやる気持ちを抑えながらさりげなく

渡す

ゴミ

 

 

 

 

 

 

 

受け取った!!

 

 

途端に笑いをこらえる私

下を向き顔は真っ赤だったでしょう

 

必死に笑いを堪える私

必死に答えを探す部長

 

笑ってしまってはいけない

 

手に汗握る私

手にゴミ握る部長

 

たまらん

会議どころではない

 

苦行です

これが江戸時代なら私の置かれている状況は拷問に採用されるのではないかと疑うほど面白い

 

だってゴミを握り締めながらしどろもどろなんだもん

 

これ以上は耐えられない

 

私は会議をこなすことに集中しはじめる

 

こうして色々な意味でなんとか乗り切った今週の会議

 

仕事って辛いな

 

 

そんな風に思う年末最後の会議でした

 

 

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