笑顔のカエル

 

「笑顔のカエル」

 

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とても静かな森の中。

その森の更に奥の奥。

そこにはとっても澄んだ湖があります。
一点の曇りもないとっても綺麗な水。
人が触れたこともないようなとってもとっても綺麗な水。

 

 

ある日5人の子供が冒険をもとめてこの森の中にやってきました。

 

仲良しの5人は自分の勇気を示すため、我先にと森の奥に進んでいきます。

 

みんな楽しさに夢中になり、静かな森を歩きまわります。

 

ふと、少年の内の1人ドロモスがこんな事に気がつきます。

「僕たちは目印もなしに森のずっと奥に来てしまったみたいだ。

誰か帰り道がわかる?」

 

するともう1人の少年エクプリクシが

「そういえば何の音もしないしちょっと不気味な感じがするね」
と答えます。

 

「どうして誰もそのことに気がつかなかったんだ!僕たち迷子になっちゃったんじゃないか?」
いつも元気なシモスが言います。

 

人一倍臆病なリピは
「どうしよう!だんだん日も沈んで暗くなってきちゃったよ」
目には大粒の涙が浮かんでいます。

 

それを聞いて慎重派のアポストロフィは
「どうしよう、これ以上動き回っても事態を深刻にするだけだよ」

 

みんなお互いの表情をみてどんどん不安が膨らんできます。

 

不安のあまりいても立ってもいられなくなった子供達は、誰について行くでもなく
歩を進めます。

 

すると目に飛び込んできたのはあの湖。

 

一日中歩き回ってみんな喉がからから。

 

これまでの疲れも忘れたかのようにその綺麗な水を飲みます。

 

やっと一息ついたと思ったら、やっぱりさっきの不安が頭をもたげます。

静かな森の静寂がまた深まります。

 

そんな沈黙を破ったのはドロモス

 

「どうしよう、僕たちは迷子になってしまった。お腹もすいたし足も痛い。これ以上動けないよ。」

 

リピは「私たちはもうお家に帰れないのかな?」と今にも泣き出しそうです。

 

そんな顔を見て、5人はみんな押し黙り、泣き出してしまいました。

 

と、そこになにやら声が聞こえます

 

「フフフフ」

 

エクプリクシ
「ねぇみんな、何か聞こえなかった!?」

 

みんなが必死に歩いていて気がつかなかったけれど、いつのまにか辺りは真っ暗

 

ドモロスが言いました
「何!?オオカミ?熊?それとも..」

 

「フフフフフ フフフフフ」

 

「また聞こえた!」
リピは声を震わせながら言います。

 

アポストロフィはふぁ言います
「僕たち食べられちゃうの!?」

 

シモスは言いました
「でも待って??なんだか笑い声みたいじゃない?」

 

そう、そこに現れたのは

 

笑顔のカエル

 

不思議な不思議な笑顔のカエル

 

「おや、めずらしいお客さんだね。こんな時間にこんなところでどうしたの?
お父さんやお母さんが心配するよ?」

 

 

さっきまで不安に包まれていた子供達はなぜだかすっかり安心してしまいました。

 

そのカエルはなんだかとっても安心する空気をまとっていたからです。

 

僕たちは遊んでいる間に道に迷ってしまって….
みんなで協力してなんとか引き返そうと思ったんだけれど、どうしても僕たちだけではできなかったんだ」

 

カエルは言います

「大丈夫。もう安心だよ。僕がいるからみんなもそんな青い顔をしていないで僕の表情をマネしてごらん?」

 

5人は恐る恐る表情を作ります

 

「だめだめ、まだまだ表情が硬いな」

「もっと楽しそうに」

 

みんないつのまにか楽しくなって元気がでてきました。

 

「さぁ、僕についておいで」
カエルは楽しそうに歌を歌いながら子供達を導きます。

 

そうすると不思議な事にどんどん辺りは明るくなり、子供達は道に迷わず森から出ることができたのです。

 

彼らは無事にお父さん、お母さんの元に帰ることができました。

 

カエルだけにね。

 

 

はい、なんとなく今思いつきました。

 

登場する子供

リピ(悲しみ)
シモス(怒り)
エクプリクシ(驚き)
アポストロフィ(嫌悪)
ドモロス(恐怖)

は人間の感情6つの基本となる感情です。

あれ?5人??

 

そう、最後の1つはカエルの
カラー(喜び)です。

 

人間は喜びがなくては道に迷ってしまいます。
そして抜け出すことができません。

 

唯一のプラスの感情【喜び】があるから目的に向かって生きていけるのです。

 

そしてこの喜びを表す表情こそ笑顔

 

大切だね笑顔って