強迫性障害は治る!私が強迫性障害を克服した唯一の方法

強迫性障害(ODC:Obsessive–compulsive disorder )

この病名を聞いたことがありますか?

私はこの病気にここ数年悩まされてきました。

その始まりからここまでを辿ってみようと思います。

強迫性障害ってなに?

「家の戸締まりをきちんとしたかな?」「ストーブの火を消したかな?」こんな不安で家に戻ったことありませんか?

この不安感が非常に強くなり、それを抑える為に何度も何度も確認してしまう。

それを度を超して繰り返してしまうことで日常生活に支障をきたす。

そんな病気です。

代表的な強迫観念と強迫行動

不合理だとわかっていても頭から追い払うことができないこの不安を

「強迫観念」

不安にかき立てられそれを打ち消すために行われる行動を

「強迫行動」

といい代表的なものは以下になります。

・不潔恐怖
汚れや細菌汚染の恐怖から過剰に手洗い、入浴、洗濯をくりかえすドアノブや手すりなど不潔だと感じるものを恐れてさわることができない

・加害恐怖
車で人を轢いたのではないかなど誰かに危害を加えたかもしれないという不安がこころを離れず、新聞やテレビに事件・事故として出ていないか確認したり、実際に自分の通った道を確認しに戻る

・確認行為
戸締まり、ガス栓、電気器具のスイッチを過剰に確認する

・儀式行為
自分の決めた手順でものごとを行なわないと、恐ろしいことが起きるという不安から、いつも同じ方法で仕事や家事をしなくてはならない

・数唱強迫
不吉な数字・幸運な数字に、縁起をかつぐというレベルを超えてこだわる

・不完全恐怖
物の配置に一定のこだわりがあり、そのことに執拗にとらわれる

私の症状の始まり

私はこのうち、確認行為の症状が強く表れ、非常に辛い思いをしました。

昔から自分に貴重品や戸締まりの確認に時間がかかるな、という兆候はありましたがこれが病気だと自覚するほど強く症状が表れたのにはきっかけがあります。

それはある日、妻が用事で実家に一泊した際のことです。

その日私は1人で家に残り留守番をしていたのですが、全ての戸締まりの責任を自分に感じたこの時に強い不安に襲われ確認行動を始めたのでした。

何度も何度も確認作業を行っても安心することができず同じ行動を繰り返す。

最初のその行動を何時間繰り返したのかすらわかりません。

結局その日はひたすら確認行動を繰り返し疲れ果てて眠りにつきました。

そして翌日、妻が帰ってくると私はその事を妻に話しました。

妻が帰ってきてこれまで通りの生活にもどるはず….

そう思っていましたが、そう簡単にはいきませんでした。

自分行った戸締まりだけでなく妻が行った戸締まりにさえも不安を感じるようになり、何度も確認してしまう。

貴重品等がなくなっていないか確認せずにいられない。

確認してもそれで安心することができずひたすら繰り返してしまう。

自分の確認だけでは安心できずに妻を巻き込んで確認作業を繰り返す。

こうして多少不安に感じる程度だったことまでが一気に悪化し私は強迫性障害のことで頭がいっぱいになってしまいました。

私の強迫性障害の治療方法

日に日に悪化する強迫行動、

強迫行動への妻の巻き込み、

日常生活が壊れていくことに不安を覚え、また病気によって肉体的にも精神的にもすり減っていく私の姿を見た妻は病院へ行くことを強く勧めてくれました。

強迫性障害の原因はセロトニンやドーパミンを神経伝達物質とする神経系の機能異常と言われ、病院では主にこれを調整する働きを持つ薬が処方されます。

また、医師の勧めで臨床心理士のカウンセリングも受けることにしました。

この2つを受けた私の感想は以下です。

・薬については風邪などのようにそれによって症状がはっきりと改善されるものではないので有効性は自覚しにくい。

・カウンセリングは色々と話を聞いてくれたり、強迫性障害を直すには脅迫行為を行わないことが一番重要だということなどの考え方・心の持ちようを教えてくれます。

症状を克服した今となってはカウンセラーの言ってくれていたことは正しいなと思えますが、不安に心を支配されていた当時は頭ではわかっていてもこの不安感には勝てないというのが正直なところでした。

私が不安感に打ち勝つことができた理由

薬を飲み、カウンセリングを受けてもあまり改善しない症状。

原因は私が不安に打ち勝つことができず強迫行動を続けていたことに他なりません。

どんなに頭では理解していても不安感に勝てないのです。

そんな私に転機が訪れます。

何度確認作業を行っても安心感を得ることができなかった私は

妻を確認作業に巻き込んでいました。

そのせいで私に付き合わされる妻までがストレスを抱え体調を崩

してしまったのです。

これまで「自分の症状の緩和」と「不安感への対処」を秤にかけて

脅迫行為を繰り返していましたが、これでは強い不安感が勝ってしまい

脅迫行為をやめることができません。

しかしここに「妻の体調の悪化」が加わったことにより「不安感への対処」

よりも脅迫行為をやめることに秤が傾くようになったのです。

強い不安感が襲ってきても脅迫行為をすることは妻を傷つけてしまう。

この事が私を脅迫行為に立ち向かう力になってくれました。

そして一度強迫観念に勝つことができると、永遠に続くのではないかと

思われる強迫観念も耐えることでなくなっていくという成功体験ができます。

これまでは強迫観念に耐えたってこの不安感はなくならないと恐れていたものが

耐えることで強迫観念が消え去るという自信が生まれたのです。

このことで私は少しずつ脅迫行為を減らすことができるようになり

今ではほぼ脅迫行為を行わなくてよくなりました。

最後に

強迫性障害に関することを記事にすることには正直なところ迷いがあり

ました。

それは自分が精神疾患だということを人に知られることに抵抗があった

からです。

内科的、外科的疾患と聞いても「大変だ」とか「助けてあげよう」という考えが社会に根付いているのに対し、同じ病気であるにも係わらず精神疾患だと聞くと未だに腫れ物に触るような空気が生まれるからです。

病気の事で私の事を知りもしない人が私を変な人だと思うからです。

私が変な人なのはしっかり私を見た上で変な人だと判断してほしいのです。

人はよくわからないものに恐怖を覚えます。

鬱病などの精神疾患はだんだんと社会に知られるようにはなってきていますがやはり経験がない人には得体の知れない目に見えないものです。

恐怖を和らげるためにそれを自分の知っているものにあてはめようとして

それを「甘えだ」とか「みんな同じ」などと考える人も未だに存在します。

私が言いたいのは精神疾患も病気だから優しくしてあげて欲しいだとか

そんなことではなく、もっとよく知って欲しいということ。

精神疾患に対する変なイメージをなくしていきたいということ。

そして自分が精神疾患であるということに負い目を感じるようなことがない

世の中になって欲しいということです。

私と同じ病気で苦しんでいる人は世の中に沢山います。

そんな人たちが堂々と治療することができること、

また私の経験が少しでも他の人の役に立てばいいなと思い

この記事を書きました。

そして今まさに同じ病気で苦しんでいる人にも強迫観念に打ち勝つ体験が少しでも早く訪れることを願っています。

私が病気を克服できた最も大きな理由は自分がどんなに酷い状況になり、

多くの重荷を背負わせてしまっても一瞬も自分を見捨てることなく常に

支えになってくれた妻の存在があったからです。

この支えがなければ今でもきっと病気に悩まされ続けていたと思います。

本当に妻には心から感謝しています。

「ありがとう」

--追記--

2018.3.16

春が近づき心身共にバランスを崩しやすい季節です。

体調管理

体力維持

そして自分の心の状態を見つめる。

同じ病気に苦しむ方の苦しみが少しでも和らぐことを祈っています