意外なルーティーン

【ルーティーン】

生活慣習の一種で、日常規則的に繰り返される生活様式、

特に一定の手順で行われる仕事

 

同僚によく忘れ物をする人間がいます。

行動の最中に手に持っているものをどこかに置くと、

確実にそれらを回収せずに

そのままにしてしまうのです。

 

ミントタブレット、メガネから始まって

車や家の鍵、携帯と中には忘れてしまうと

非常に困るものまでその場に置いていってしまいます。

 

そこで私は彼に

人間が忘れ物をするときは日常と違う行為をした時であるので

自分がよく忘れ物をしてしまうタイミングをメモして

それらの行動をルーティーン化してしまえば良いのではないか

と提案しました。

 

ルーティーン化された行為は意識せずとも自然と

行われていきます。

物を置いてから回収するまでをルーティーンにすること

で忘れ物が減っていくのではないかと思ったのです。

 

これには彼も興味を示し、実際に取り組んでくれました。

 

そんなある日その彼から相談を受けました。

 

ルーティーン化の話はわかったのだが、どうしても

忘れ物をしてしまうというのです。

 

毎日同じ行動を取るのに習慣付けられないなんて

おかしいなと思い、一緒に行動を検証してみること

にしました。

 

確かに毎日同じ行動をしているのに

忘れ物をします。

そう、彼の中では忘れ物も含めてルーティーンなのです。

 

私は愕然としました。

 

これはもう手遅れだと。

 

為す術のなくなった私は

脳に異常があるといけないのでなるべく大きめの

病院で一度検査してもらってくださいねと

会心の笑顔で見捨てたのでした。

 

脳は大事!