いつの世も

 

 

おばあちゃんにとって孫というのは可愛いものなのでしょう。

 

先日の書店でのこと。

 

洋書を探していた私の耳に飛び込んでくる一際大きな声がありました。

視線をその声のするほうにやってみるとそこには

おばあちゃん、孫らしき少年(推定16歳)、店員さん

の3名がいました。

 

聞きたくなくても耳に入ってくるおばあちゃんの大きな声。

どうやらおばあちゃん、孫に洋書を買い与えたいようです。

しかしそこは英語に弱い日本人。

どういった本がいいのか決めかねて、店員さんにアドバイスを求めたようです。

 

しかし、おばあちゃんの要求は「既に日本語で内容を知っているもの」というのみ。

さすがに店員さんもそれだけではおすすめすることができず、もう少し条件を絞ってほしいと訴えます。

 

するとおばあさん

「ほら!日本語で内容を知っていたらわからない単語があっても読み進めていけるじゃない!走れメロスみたいなのないの!?」

とヒートアップ

「ちょっと走れメロスは置いてませんね….」と店員さん

 

この時点で私は「ははぁ~ん、この人たちみんなだめだな?」と考えています。

おばあちゃんは全く孫の意見を聞かず、ここまで孫の口からは一言も発せられていません。

その本を読むであろう孫が何の意思表示もしていないのです。

一方店員さんも

おばあちゃんの意図をくみ取ることが出来ず走れメロスは置いていないという

なんとも心許ない対応。

そして全く意思表示できない孫

 

登場人物全員だめ。

 

こうなるともう収集がつきません。

 

ただ一つ言えることはおばあちゃんの声がひたすらでかい。

 

 

その大きさに我慢ができなかった私は一旦洋書コーナーから離れます。

 

しばらくしてレジに向かう孫の手には数冊の洋書が積み上げられていました。

 

あの本たちはきっと読まれることなく本棚に納められてしまうんだろうな…

 

あの子は本当に洋書なんて読みたかったんだろうか